素晴らしい思い出と共に朝早く、この一年間仲良くしていた友人とお茶をした。
彼は、来月転勤が突然決まり、海外に引っ越すという。
出世をしたのだから、朗報、と僕は捉えた。
しかし、彼が目頭を熱く転勤の経緯を話しだすと、
僕はひたすらうなずいて、彼の話を聞いた。
僕は涙をこらえるので精一杯だった。
昼過ぎ、僕は一人、しょっちゅう来る表参道をツーリストのように、何気なく歩いた。
台湾人の若いカップルからコムデギャルソンの場所を聞かれた。
彼らは青南小学校のあたりを探していた。間違いの情報を便りに。
前から気になっていた、改装された根津美術館。
37年人生が経過しているのに、一回も足を踏み入れたことがなかった。
僕は何気なくにフラッと入り、江戸時代に書かれた屏風などを鑑賞し、感嘆した。
奇麗な庭の奥にある、nezu cafeに入り、昼食を取った。
中に入る迄、長い行列が出来ていた。
僕は最近ハマっているipadに、とにかく早く触りたかった。
並んでいると、ふと日本を離れる彼のことを思い、僕は並んでいる間、メモ帳で僕の気持ちを書いていった。
席に座り、お食事が来る迄の10分間、僕は彼と知り合ってよくやりとりをした、哲学的でウイットな会話を思い出しながら、彼に充てた詩をフワっと書き、完成させた。
その詩に、一人酔いしれていた。。。
ちょうど窓際から見える森林は、マイナスイオンに溢れ、僕を軽井沢やブラジルにいるかのような世界に連れてってくれた。
夕方になり、ipadで書いた詩を彼に送った後、自宅で家族と夕飯を食べた。
お笑い番組を見ながら、僕はふと涙が溢れそうになった。
ボディブロー。
これは別れではなく、ステップアップだと言い切ったのに。
yosshy